© Go Itami

伊丹 豪Go Itami「無題」

自分にとっての写真とは目の前のことが平面になるという面白さである。
1つの次元を剥奪された写真は、目の前に限りなく近いコピーであり、それは目の前と近ければ近いほど異化されるというパラレルな構造を持つ。平面へ還元するということはピントの位置と絞りをコントロールするということでしかなく、そのコントロールにより定着した画像にはそこにあったという証明以外の何物でもない。
そのことを極めて意識的にコントロールすることで、またその画像をアーカイブ化していくことで、写真としての見え方は大きな広がりを持つのではないか。そのアーカイブの向こう側に、どこにも依拠せず自立している写真のあり方があると思っている。

1976
徳島県出身