IMAメディアプロジェクトは、パナソニック株式会社 / LUMIX特別協賛のもと、これからの日本のアートフォトをリードする若手写真家の支援と育成を目指し、2013年より本展覧会を企画してきました。第6回目となる今年は、昨年に続きアムステルダム、パリ、東京の3都市で本展を開催し、各地の写真フェスティバルなどとも連携します。「不確実な世界との交信法」とテーマを掲げ、いま伝えるべき写真表現を追求します。
世界がさまざまな問題を抱えながら、膠着している中、テクノロジーのイノベーションは日進月歩に私たちの生活を変え、ポストヒューマンの時代はすぐそこまで迫っているといわれています。そんな中で生まれ、育ってきたミレニアルズと呼ばれるジェネレーションが見ているものは、一体どんな景色なのでしょうか。彼らは写真を通じて、不確実な世界と時代に向き合おうとしています。リアルとフィクション、テクノロジーとアナログ、そしてジャーナリズムとアートなど、対局にあると思われているものの境界から、新しい感性が湧き出だし、そこからこぼれ落ちる表現に私たちは目を向けて行く必要があるのではないでしょうか。
今年はIMAメディアプロジェクトが選出した6名の新鋭が参加。リアルとフィクションが入り混じる物語を通して、私たちに視覚的な体験を提示する三田健志、切実な世界の有様をジャーナリズムの視点から発信しようと試みる苅部太郎、動画と静止画のあわいを静謐な視点で切り取るネメス理世の3名は、LUMIX G9 Proを用いた撮り下ろし作品を発表します。そのほかに市田小百合、草野庸子、中村健太が加わります。複雑な現代社会において、若手写真家たちは世界をどのようにとらえ、何を発信していくのか。その真摯な姿勢と、新しくユニークで大胆なクリエイションに焦点を当てて提示します。
1985年、福岡県生まれ。2006年、東京ビジュアルアーツ写真学科卒業。その後イイノメディアプロにてスタジオマンとして3年半ほど働いたのち渡英。2012年より拠点をニューヨークに移す。2016年、JAPAN PHOTO AWARD受賞。2018年はFotofilmic18 入選し、Fotofilmic 18 Shortlist Show(カナダ)に参加。また10月のBarcerona Foto Biennale, 5th Biennale of Fine Art & Documentary Photography(スペイン)に参加予定。9月にロシアのSpace Placeで個展を開催予定。
https://www.sayuriichida.com/
1988年、愛知県生まれ。南山大学人文学部心理人間学科卒業。在学中に英国留学・南アフリカ共和国で国際NGOの感染症コントロール計画で研修。卒業後、金融機関勤務。2015年に写真家として独立。「自他を仕切る境界の曖昧性」、「世界の偶有性」を軸に写真作品を制作している。作品は国際的に高く評価され、ニューヨークタイムズやワシントンポストをはじめ国内外の様々な雑誌に作品が掲載されている。
https://www.tarokaribe.com/
1993年、福島県生まれ。桑沢デザイン研究所でグラフィックデザインを専攻し、在学中にプライベートで撮りためて応募した写真で、2014年にキヤノン写真新世紀優秀賞(佐内正史選)に選出される。以後、写真家の道を歩み始め、現在ではファッションやカルチャー誌をはじめとする数々のメディアで活動している。2017年に、『EVERYTHING IS TEMPORARY(すべてが一時的なものです)』を刊行。2018年9月にRoshin Booksより写真集を刊行予定。
http://kusanoyoko.tumblr.com/
1979年広島県生まれの美術家。2004年多摩美術大学大学院美術研究科修了。「経験」を巡る思考を主軸とした活動を展開。社会に遍在する情報を独特な仕方で束ねる作風で知られる。主な受賞にTOKYO FRONTLINE PHOTO AWARD グランプリ(2014年)、キヤノン写真新世紀優秀賞(2015年)などがあるほか、2018年度には五島記念文化賞(美術部門)を受賞。近年の主な個展に「Bundle of LIFE」(2017年、京都、Media shop gallery)、「The fictitious」(2017年、中国、Ying Gallery)がある。
https://mita-takeshi.tumblr.com/
1981年生まれ。2016年イタリア版『VOGUE 』が選ぶベストフォト100、「PHOTO VOGUE」のフォトグラファーベスト30に選出された。3Dメガネを使ったシリーズ「Your story」が注目を浴び、『It's Nice That』をはじめ、さまざまなメディアで取り上げられた。主な個展に、2017年「Your story」( Nizhny Tagil Museum of Fine Arts 、ロシア) などがある。
http://kentanakamura.com/
1989年、東京都生まれ。2012年にロンドンのセントラル・セント・マーチンズのファインアート学科を卒業。現在は東京を拠点に活動を続ける。映像と写真を手法、題材に、映像編集の可能性から模索し、身近なものを被写体に立体化を試みる。二次元上に映る時間、空間、物質性などの感覚や記憶の違いに焦点をあて制作している。
http://www.riyonemeth.com/
ニューヨーク近代美術館(MoMA)やパリのポンピドゥーセンターなど、世界の主要美術館で日本人写真家の作品をパーマネントコレクションする動きが広まるなど、アートフォトマーケットにおける日本人写真家への評価・関心は年々高まっています。若手日本人写真家の台頭も著しい流れの中で、IMA メディアプロジェクトは、パナソニック株式会社 / LUMIX特別協賛のもと、これからの日本のアートフォトをリードする若手写真家の支援と育成を目指し、2013年より本展示会を企画してきました。毎年パリと東京の二都市で開催し、ご好評をいただき、今年で第6回目を迎えます。過去4年の活動を振り返ると、本企画で紹介してきた写真家たちは、年々活躍の場を広げています。
水谷吉法(2013年・2014年参加)は、アントワープ、ロンドン、パリ、北京での個展や、フランス「La Gacilly」など、世界各国のフォトフェア、フォトフェスティバルにも参加しています。また今年はアムステルダムのUnseenが主催するアワード「Meijburg Art Commission 2017」のファイナリストにノミネートされています。
横田大輔(2014年参加)は、いま最も注目される日本人若手写真家の筆頭に挙げてよいでしょう。世界的に権威のある「Foam Paul Huf Award 2016」を受賞するなど、現在海外で最も注目される若手日本人写真家の一人となっています。
藤原聡志(2015年参加)は、2016年ベルリンのオペラハウスからの要請を受け、キャンペーン広告のビジュアルを担当。ベルリン市中のあちこちに作品が展開されました。また2017年にはイタリア・ミラノで、プラダ財団による写真と視覚言語のアートスペース「オッセルヴァトリオ(Osservatorio)」で個展を開催しています。
石橋英之は(2017年参加)は、2017年秋に、パレ・ド・トーキョーがキュレーションするLe Fresnoyでのグループ展に参加。
石野郁和(2016年参加)は、2017年の秋にイギリスの出版社MACKから写真集『Rowing a Tetrapod』を刊行予定です。
東加奈子は(2016年参加)は、2017年の秋にモスクワで開催される「7th Moscow International Biennale of Contemporary Art」に参加予定です。
他の作家も続々と活動の場を広げ、活躍し始めています。
写真雑誌『IMA』の刊行の他、ウェブサイト「IMA ONLINE」の運営、写真関連イベントやセミナーなどの開催を連動させて、「LIVING WITH PHOTOGRAPHY」をテーマにアートフォトをとりまく様々な提案をしているIMA メディアプロジェクト。
IMA メディアプロジェクトでは、グローバル化する写真界の現状を踏まえ、若手日本人写真家の国内外での活躍の場を創出することをミッションのひとつとしています。とりわけ才能の発掘と育成に力を入れており、毎年、ポートフォリオレビュー「STEP OUT!」を開催。この「STEP OUT!」を通じて有望な人材を見い出しながら、今年もフレッシュな魅力に溢れた写真家たちを世界に羽ばたかせます。
期間: | 2018年11月7日(水)~24日(土) ※PhotoSaintGermainの一環として開催します。 ※日月休み ただし11日(日)は開廊 |
時間: | 11:00-19:00 ※11月6日(火)18:00-21:00 オープニングレセプション ※11月9日(金)19:00-21:00 Open Gallery Night |
電話: | +33 -1-4326-9973 |
会場: | Galerie Nicolas Deman 12 rue Jacques Callot, 75006 Paris, France |
期間: | 2018年11月30日(金)~12月9日(日) |
時間: | 11:00-19:00(初日は17:00開廊) |
電話: | 03-3740-0303(IMA gallery) |
会場: | IMA gallery 〒140-0002 東京都品川区東品川2-2-43 T33ビル1F |
OPENING RECEPTION | |
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日程: | 2018年11月30日(金) |
時間: | 19:00-21:00 |
作家によるギャラリーツアー |
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日程: | 2018年12月1日(土) |
時間: | 14:00- |
期間: | 2018年9月21日(金)~23日(日) ※Unseen Amsterdamの一環として開催します。 |
時間: | 金曜日: 11:00-21:00 土曜日: 11:00-22:00 日曜日: 11:00-17:00 |
会場: | Gashouders Westergasfabriek, Klönneplein 1, 1014 DD, Amsterdam |
トークイベント | |
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日程: | 2018年9月21日(金) |
時間: | 17:30~18:30 |
司会: | 大谷臣史 |
参加作家: | 市田小百合、苅部太郎、草野庸子、三田健志、中村健太、ネメス理世 |